鉄筋コンクリート造の住宅と鉄骨造(または木造)の住宅でどちらの方が、夏の暑さや冬の寒さを凌ぐことができるのでしょうか。
今回は『熱容量』というキーワードを用いて鉄筋コンクリート造と鉄骨造(または木造)の住宅でどちらが快適か考えてみたいと思います。
熱容量とは
熱容量とは、『任意の量の物質の温度を1℃上昇させるのに必要な熱量』のことです。
むむむ・・・難しい。
熱容量を考えるのに、大きなお風呂と小さいお風呂を考えてみます。
【問題Q1】大きいお風呂と小さいお風呂があります。大きいお風呂と小さいお風呂の温度はどちらも30℃です。お風呂のお湯の温度が40℃になるのは、どちらが早いですか?お風呂のガス量はどちらも同じです。

【答えA2】小さいお風呂のほうが早く40℃になります。
大きいお風呂は水が多い(熱容量が大きい)ので、なかなか温度が上がりません。
小さいお風呂は水は少ない(熱容量が小さい)ので、温度がすぐに上がります。
熱容量は、お風呂のお水で考えると分かりやすいです。
「水が多い=熱量量が多い。水が少ない=熱容量が小さい。」です。
【Q1で言いたかった事】水が多い(熱容量が大きい)と温度が上がりにくいです。
【問題Q2】大きいお風呂と小さい温度のお湯の温度が40℃です。大きいお風呂と小さいお風呂ではどちらの方が温度が下がりやすいですか?
【答えA2】小さいお風呂の方が温度が下がりやすいです。
【Q2で言いたかった事】水が多い(熱容量が大きい)と温度が下がりにくいです。
鉄筋コンクリート壁と鉄骨造(または木造)の壁(石膏ボード+グラスウールなど)の熱容量
鉄筋コンクリート造の壁は熱容量が高く、温度が上がりにくく、下がりにくいと言われています。

鉄骨造(または木造)の壁は鉄筋コンクリート増の壁に比べ、熱容量が小さく、温度が上昇しやすく、下がりにくい傾向にあります。
鉄筋コンクリート構造 | 鉄骨造(または木造) | |
熱容量 | 大きい | 小さい |
温環境 | 温度が上がりにくく、下がりにくい | 温度が上がりやすく、冷めやすい |
鉄筋コンクリート造と鉄骨造はどちらが快適なのか?
【鉄筋コンクリート造】
【メリット】
コンクリートは熱容量が大きいので、コンクリート壁や床に多くの温度エネルギーを貯めることができます。
鉄筋コンクリート壁がいったん温度を吸収し、部屋の温度が壁の温度よりも低い場合には温度放出します。
そのため、室内温度が一定に保たれます。温環境が一定となるため、健康的な住環境が確保し易いです。
【デメリット】
エアコン等の暖房(または冷房)は鉄筋コンクリート壁に吸収されてしまうため、エアコンを付けても、すぐには部屋の温度が上がりにくくなります。
エアコン等の暖房(または冷房)は鉄筋コンクリート壁に吸収されてしまうため、エアコンを付けても、すぐには部屋の温度が上がりにくくなります。
【鉄骨造(または木造)】
【メリット】
鉄骨造(または木造)は熱容量が小さいので、温度が柱や梁、壁などに温度エネルギーが吸収されません。
そのため、エアコンを使用するとすぐに部屋の温度を上げることができます。
【デメリット】
鉄骨造(または木造)は熱容量が小さいので、エアコンを消すと温度が変化(夏であれば暑く、冬であれば寒く)なります。
ライフスタイルでどちらが良いか決まる
昼間・夜ともに家にいるライフスタイルの場合
専業主婦(主夫)など、一日中家でお仕事をされる場合には、鉄筋コンクリート造の場合には、一定温度が確保できるので快適であるといえます。
夜は家にいるが、昼間は家にいないライフスタイルの場合
一人暮らしなど、夜は家にいるものの、昼間は学校や会社に行く場合には、鉄筋コンクリート造の場合にはエアコンの効率が悪いので、鉄骨造(または木造)の方が快適です。
例えば、鉄筋コンクリート造で冬場に家に帰ってくると、部屋が寒いのでエアコンで部屋を暖めますが、コンクリートに熱を吸収してしまいます。
朝になり外出した日中に、夜中に温まった鉄筋コンクリートから熱が室内を暖め快適になります。
帰宅する頃にはコンクリート壁も冷えて、部屋が寒くなっています。
帰宅時には、鉄筋コンクリートが冷えて、人がいない日中に快適で、帰宅すると寒いという状況が発生する可能性があります)

住まいのセカンドオピニオンのすすめ
いかかでしたか。
今回の報告も含めて、1面だけで判断せず、多面的に検討する必要があります。

住宅の建設の場合、①利便性や②価格、③安全性などを総合的に判断する必要があると思います。
①利便性や②価格を総合的に判断するには、いくつかの提案プランを比較することがおすすめです。
住まいは大変高価な買い物です。
1人の営業トークだけで決めてしまうのは、大変もったいないと思います。
タウンライフでは、大手ハウスメーカーのプランを『無料』で『同時に請求』できるのでとても便利です。
『無料」で『同時に請求』したプランを見て、もう一度考え直す、 住宅を買うのを止めるということも視野に入れても問題ないと思います。
実際に請求しようと思ったときには、各メーカーから、「より良いプラン」を引き出すため、以前「ゆこな」で紹介したこちらのページも参照してみてください。
メーカー・工法によっても『安全の考え方』が違っています。
おのおののプランを入手して、①利便性や②価格の『適正な設定』を住宅メーカーではなく、自らが決めていくことが必要なのだと思います。
とはいっても、住宅の専門的なことをどのように決めてゆけばよいのか、と感じるかたもいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな時、わたくし”ゆこな”が、皆様によりそって、「住まいのセカンドオピニオン」として安全性の考え方についてのサポートし、皆様のよりよい住まいつくりのお手伝いができれば、と考えています。

「ゆこな」のセカンドオピニオンのご依頼・ご質問はご遠慮なく、メールお願いいたしますね。