非常時に、飲用水および生活用水(洗濯、清掃、トイレなど)の確保が非常に重要です。
今回は、非常時の飲用水、生活用水の確保を考慮して便器の選定を考えてみます。
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生活用水の使用量
国土交通省の報告(国土交通省 水資源 水資源の利用状況より) によれば、生活用水の使用量は1人あたりに1人が使用する生活用水は約250リットルです。

生活用水の内訳はお風呂が40%、トイレ21%、炊事18%、洗濯15%となっています。

断水時にはトイレ用排水をどのように確保するかということが大切です。
トイレ排水用の生活用水は4人家族の場合、
【トイレ用の必要水量(4人家族の場合)】
生活用水総量(2015年実績)×お風呂の使用割合21%×4人家族=250リットル
4人家族の場合250リットル生活用水の確保が必要ということになります。
断水時には水の使用を抑えるでしょうからこの数値ほどの水量の確保は必要ないでしょうが、非常時に多くの生活用水の水量を確保しておかないと、生活する上での不便を感じることになります。
トイレ排水量(4人家族 250リットル)確保のために
お風呂のお湯をため置きしておくと、断水時のトイレ用排水を確保するのに有効です。
お風呂に水を確保しておけば、日常においても、選択、掃除、散水などの生活用水として利用することも可能です。
お風呂のため置きでどの程度のトイレ用水を確保できるのか
ユニットバスは規格サイズが決まっていて、「短辺方向×長辺方向」で表記されています。
たとえば、「1620」と記載されていれば、短辺寸法160cm×長辺方向200cmという大きさになります。
代表的なユニットサイズは、シングル向けであれば「1216」「1317」、ファミリー向けであれば「1418」「1620」などがあります。

※浴槽の形状によって容量が変化する場合があります。
戸建て住宅用のユニットバスでため置きした場合、約180L~250Lの非常時のトイレ用水が確保できるということになります。
お風呂の水をため置きすれば、トイレ用水量確保できる
上の検討により、4人家族の場合トイレ用水は250リットル必要で、お風呂をため置きした場合180リットル~250リットルの水を確保できますので、お風呂の水をため置きすれば、トイレ用水量を確保できるといえます。
断水時のトイレの使い方

断水時であっても、洋式トイレを使用することができます。
お風呂のため置き水から、バケツに水をすくいとっておき、バケツの水で便を流します。
小便はまとめて流すことで水の使用を抑えることもできます。
バケツで便を流す場合には、排水圧力が小さく、トイレットペーパーなどが詰る可能性がありますので、流さずゴミとして処理します。
トイレの機構についてはこちらを参照してください。
空のバケツにポリ袋をかぶせておいて、そこにトイレットペーパーを捨てれば、衛生的です。
飲用水の必要確保量について
断水時のトイレ用水については、お風呂のため置き水で確保できることが分かりました。
それでは、飲用のための水分はどれだけ確保する必要があるでしょうか。
大震災における住民行動について-各種行動調査・意識調査からの検討-森脇俊雅 14ページによれば、阪神・淡路大震災において、自身のとき、こうしておればよかった、これ用意しておけばよかったと思うもの(こと)で、飲用水の確保は多く方が回答しています。

飲用水は1日3リットル程度が必要とされていますので、4人家族であれば12リットル必要となります。

一般に市販されている水ペットボトルが2リットル入りで、ダンボール1箱が6本入りですので、1日の飲料水は1箱分必要ということになります。
3日分程度確保することが望ましいので、水入りペットボトルダンボール3箱程度が必要ということになります。
日常備蓄で飲用水を確保する

4人家族で3日分の飲用水はダンボール3ケース分(12リットル×3ケース)が必要だということがわかりました。
これを物置等に保管した場合には、場所を大きくとり、また消費期限の管理が難しくなります。
そこで、日常利用している飲用水を3ケース分購入して、そのうち1ケースを使用したら1ケース購入し、常に3ケース分確保する「日常備蓄」をすれば簡単に備蓄することができます。
日常備蓄以外に飲用水を確保する

便器のタンクは、使用する毎に水道水から新鮮水が供給されます。
また、直射日光が当たらず、高温にはならないため、水道水内の塩素が含有されています。
非常時には安全な飲用水として確保することができます。
便を流すために必要な水量がおおよそ8リットル程度(4人家族で1日に必要な水の量は12リットル)で、それを確保する水量がタンクに確保されているので、1日相当に近い水がトイレタンクに備蓄されているともいえます。
(断水時、トイレのレバーを引かないように、十分注意する必要があります!)
最近では、デザインの良さからタンクレスの便器もありますが、私ゆこなは自宅を建てる際には非常時に貴重な水源を確保できるタンク式の便器を採用することにしました。
住まいのセカンドオピニオンのすすめ
いかかでしたか。
今回の報告も含めて、1面だけで判断せず、多面的に検討する必要があります。

住宅の建設の場合、①利便性や②価格、③安全性などを総合的に判断する必要があると思います。
①利便性や②価格を総合的に判断するには、いくつかの提案プランを比較することがおすすめです。
住まいは大変高価な買い物です。
1人の営業トークだけで決めてしまうのは、大変もったいないと思います。
タウンライフでは、大手ハウスメーカーのプランを『無料』で『同時に請求』できるのでとても便利です。
『無料」で『同時に請求』したプランを見て、もう一度考え直す、 住宅を買うのを止めるということも視野に入れても問題ないと思います。
実際に請求しようと思ったときには、各メーカーから、「より良いプラン」を引き出すため、以前「ゆこな」で紹介したこちらのページも参照してみてください。
メーカー・工法によっても『安全の考え方』が違っています。
おのおののプランを入手して、①利便性や②価格の『適正な設定』を住宅メーカーではなく、自らが決めていくことが必要なのだと思います。
とはいっても、住宅の専門的なことをどのように決めてゆけばよいのか、と感じるかたもいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな時、わたくし”ゆこな”が、皆様によりそって、「住まいのセカンドオピニオン」として安全性の考え方についてのサポートし、皆様のよりよい住まいつくりのお手伝いができれば、と考えています。

「ゆこな」のセカンドオピニオンのご依頼・ご質問はご遠慮なく、メールお願いいたしますね。