コンクリート壁のひび割れの形状よって、収縮によってひび割れ(施工不良)が発生したのか、地震によって発生したのかがわかります。
今回は、収縮によってひび割れ(施工不良によって)が発生したのかの判別方法をご紹介いたします。
Contents
収縮ひび割れとは
コンクリートは、粗骨材(砂利)と細骨材(砂)とセメント、水を決められた配合比で混ぜて作ります。
水が多いほうが、コンクリートが流動しやすく、施工がしやすくなります。
施工はしやすいのですが、砂利・砂・セメントが分離して強度が発現しにくくなるなど、品質が低下しやすくなります。
また、水が多いと、コンクリートの収縮が大きくなります。コンクリートの収縮するときに発生するひび割れを「収縮ひび割れ」とよびます。
地震ひび割れとは
コンクリート壁は、地震による水平力に抵抗します。
地震に抵抗する時に発生するひび割れを地震ひび割れとよびます。
コンクリートの性質:圧縮に強く、引張に弱い
コンクリートは、圧縮力に強く、引張力に弱い材料です。
住宅で使われるコンクリート強度はFc=240~300kgf/cm2(24~30N/mm2)が多く使われます。
高層ビル用のコンクリートですと、Fc=600kgf/cm2(60N/mm2)か、それ以上の強度のコンクリートが使われることもあります。
Fc=270kgf/cm2(27N/mm2)のコンクリートの場合、1cm2の面積で270kg耐えることができます。
お相撲さんが乗っても壊れません。

一方、コンクリートの引張力は小さく、コンクリート圧縮強度の約1/10と言われています。
コンクリート強度Fc=270kgf/cm2の場合、引張力は27kgf/cm2程度しか耐えることができません。
コンクリートの引張力は非常に小さいので、引張力は無いものとして住宅やマンション、ビルの設計を行います。
コンクリートの性質とひび割れの関係
コンクリートは圧縮力に強く、引張力に弱い材料です。
したがって、引張力が作用する場所直交方向にひび割れが発生します。
この性質を利用して、収縮ひび割れと地震ひび割れを見分けます。

収縮ひび割れと地震ひび割れ
収縮ひび割れと地震ひび割れは次のようになります。
収縮ひび割れの場合、縦横方向に壁の面積を1/2、さらに1/2・・・というようにひび割れが発生します。
地震ひび割れの場合には、斜め45度方向にひび割れが発生します。
地震が発生すると、壁は平行四辺形に変形します。
壁の変形によって、壁に引張力45度方向に作用し、それに直交する方向にひび割れが発生します。

地震は左右に作用しますので、ひび割れは「X形状」に発生することになります。
ひび割れの補修
ひび割れから雨水が壁の中に浸み込むと、鉄筋が錆びます。
鉄筋が錆びると2~2.5倍程度にふくらみますので、さらにひび割れが進展してくることになります。

ひび割れの進展を防止するため、ひび割れ補修をする必要があります。
ひび割れ補修方法は、ひび割れの幅や種類、ひび割れ発生箇所などによって、補修工法が異なります。
ひび割れ被覆工法、注入工法、充てん工法などがあります。
補修 工法 |
ひび割れ被覆工法 | 注入工法 | 充てん工法 |
---|---|---|---|
補修 材料 |
塗膜弾性防水材 ポリマーセメントペースト |
エポキシ樹脂系注入材 アクリル樹脂系注入材 注入用ポリマーセメント |
ポリマーセメントモルタル 可とう性エポキシ樹脂 |
補修方法の検討にあたっては、工事実績、コスト、工程など適正なものを選定する必要があり、複数の専門業者を比較して適切な方向を選定する必要があります。
補修選定にセカンドオピニオンを
工事が必要なのか、そのままでも問題ないのかを判断することは非常に難しいです。
業者の中には、お客様へ必要以上に不安をあおって、必要以上の工事を薦めてくることもあると聞きます。
工法が多くあり、専門的な判断が必要です。
補修工事でセカンドオピニオンを考えられるとき、「ゆこな」へのご依頼もご検討ください。
「ゆこな」のコマーシャルでした。
住まいのセカンドオピニオンのすすめ
いかかでしたか。
今回の報告も含めて、1面だけで判断せず、多面的に検討する必要があります。

住宅の建設の場合、①利便性や②価格、③安全性などを総合的に判断する必要があると思います。
①利便性や②価格を総合的に判断するには、いくつかの提案プランを比較することがおすすめです。
住まいは大変高価な買い物です。
1人の営業トークだけで決めてしまうのは、大変もったいないと思います。
タウンライフでは、大手ハウスメーカーのプランを『無料』で『同時に請求』できるのでとても便利です。
『無料」で『同時に請求』したプランを見て、もう一度考え直す、 住宅を買うのを止めるということも視野に入れても問題ないと思います。
実際に請求しようと思ったときには、各メーカーから、「より良いプラン」を引き出すため、以前「ゆこな」で紹介したこちらのページも参照してみてください。
メーカー・工法によっても『安全の考え方』が違っています。
おのおののプランを入手して、①利便性や②価格の『適正な設定』を住宅メーカーではなく、自らが決めていくことが必要なのだと思います。
とはいっても、住宅の専門的なことをどのように決めてゆけばよいのか、と感じるかたもいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな時、わたくし”ゆこな”が、皆様によりそって、「住まいのセカンドオピニオン」として安全性の考え方についてのサポートし、皆様のよりよい住まいつくりのお手伝いができれば、と考えています。

「ゆこな」のセカンドオピニオンのご依頼・ご質問はご遠慮なく、メールお願いいたしますね。