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シックハウス症候群と建築基準法
シックハウス症候群(室内空気汚染)による健康被害が大きく問題となり、2003年に建築基準法でシックハウス対策が規定され、内装材の使用制限や24時間の換気システムが規定されました。
建築基準法ではホルムアルデヒド及びクロルピリホスの使用できないと規定されています。
○建築基準法における規制物質
物質名 | 使用用途 |
ホルムアルデヒド | 壁紙や家具の接着剤、塗料、防腐剤 |
クロルピリホス | シロアリ駆除剤など |
○厚生労働省が指定した13物質
物質名 | 室内濃度指針値 | 使用用途 |
ホルムアルデヒド | 0.08ppm | 壁紙用接着剤、塗料、防腐剤 |
トルエン | 0.07ppm | 接着剤・塗料の溶剤 |
キシレン | 0.05ppm(*) | 塗料用溶剤、接着剤 |
パラジクロロベンゼン | 0.04ppm | 衣服用の防腐剤、芳香剤 |
エチルベンゼン | 0.88ppm | 塗料用溶剤、接着剤 |
スチレン | 0.05ppm | 断熱材 |
クロルピリホス | 0.07ppb 小児0.007ppb | シロアリ駆除剤 |
フタル酸ジ-n-ブチル | 1.5ppb(*) | 接着剤・印刷インク |
テトラデカン | 0.04ppm | 塗料等の溶剤・灯油 |
フタル酸ジ-2-エチルヘキシル | 6.3ppb(*) | 壁紙などの可塑剤 |
ダイアジノン | 0.02ppb | 農薬・殺虫剤 |
アセトアルデヒド | 0.03ppm | 接着剤・防腐剤 |
フェノブカルブ | 3.8ppb | シロアリ駆除剤 |
総揮発性有機化合物(**) | 400μg/㎥ | 暫定目標値 |
(*)2019年1月17日改定
(**)特定の化学物質だけでなく、空気中に飛散するさまざまな化学物質の合計量についても注意が必要です。
『住宅建設時』のシックハウスで注意すること
住宅に使用されている建材や家具、日用品からさまざまな化学物質が発散します。
住宅建設時には、壁紙や家具から発散する化学物質量が小さいものを選択する必要があります。
住宅では次の対策が必要です。
・内装仕上げ材を化学物質の飛散が少ない材料を使用する
2)換気をする
部位 | 基準 |
内装仕上げ | F☆☆☆の場合、床面積の2倍まで F☆☆☆☆の場合、制限なし |
換気設備 | 換気回数0.5回/hの24時間換気システムを設置 (換気回数0.5回/h:部屋の空気の半分が1時間で置き換えることをいいます) |
天井裏 | 次のいずれか F☆☆☆以上機密材、通気止め天井裏などを換気 |
日常生活でシックハウスに注意すること
1)換気が重要
現在の住宅はすきまが少なく、冷暖房の空気が屋外へ逃げないので、とても快適です。
一方で室内の空気を屋外の空気と置き換えないと、空気が汚れてきます。
空気を入れ替えないと、空気中の二酸化炭素濃度が上昇し、ダニ・カビの胞子を飛散するなど、室内空気の環境が悪化します。
2)家具や壁紙に化学物質が使われます
家具の壁紙や家具には接着材や塗料が使われています。
化学物質が空気中に揮発して、目がチカチカするなどの不具合を感じることがあります。
これらを防止するため、換気をすることが重要です。
また、目がチカチカするなどの化学物質の少ないものを使用することも重要です。
3)カビ・ダニにも注意
化学物質による不具合だけでなく、カビやダニなどが関係していていることがわかっています。
また、ストレスを多く抱える人がシックハウス症状を訴えやすいといわれているので、換気とともにストレス軽減も大切です。
『赤ちゃん・子ども』の『口・鼻高さ』を考えよう

シックハウスの規制濃度は、「人がその濃度を一生涯にわたって摂取しても、健康への有害な影響はないであろうと判断される値」とされています。
大人であれば、立ち上がったときの口や鼻の高さは1m以上になりますが、赤ちゃんの場合はどうでしょう?
赤ちゃんや子どもは大人よりも口・鼻の高さが低く、大人と比べて化学物質濃度が高い可能性があります。
化学物質規定範囲内の建材を用いたとしても、赤ちゃんや子どもの吸引濃度は大人と比べて高濃度となっている可能性があります。
また、赤ちゃんや子どもは大人に比べて、体の大きさが小さいため、同じ量の化学物質を吸引した場合、大人よりも健康影響が大きくなる懸案があります。
床に近い部材での被害多い。床材、家具の化学物質発散(シックハウス)に注意しましょう
厚生労働省 シックハウスへの東京都の取組みと室内空気汚染の近年の傾向(斎藤育江東京都健康安全研究センター)において、東京都の室内空気汚染の報がされています。
ここでは5つのシックハウス事例が報告されていますが、すべてが『床』に関連しています。

「床」や「家具」は赤ちゃんや子どもの口・鼻位置が大人よりも近いので、注意が必要です。
赤ちゃんの場合、「家具」をなめるなど、空気発散だけでなく、『直接口から化学物質を体内に取り入れてしまう』可能性がありますので、家具に使用されている塗料に注意することは非常に重要です。
厚生労働省 シックハウスへの東京都の取組みと室内空気汚染の近年の傾向(斎藤育江東京都健康安全研究センター)より
ホルムアルデヒド検査キット
ホルムアルデヒドの簡易検査キットがありますので、ご紹介いたします。
検査したい場所に検査紙をおいて、0〜0.04ppmでは「白」、0.08ppmでも薄い黄色、0.25ppmで黄色になります。
簡易検査ですので、詳細検討はできませんが、どの家具からホルムアルデヒドが発散しているかの特定ができますので、とても便利です。
【メール便可】関東化学 ホルムアルデヒド検出試験紙 ドクターシックハウス 5枚入り 4987539163825posted with カエレバ
子どもに安全な家具を
勉強机やテーブルは子どもが勉強したり、お絵かきしたりなど、口や手に近い位置にあります。
子どもの健康のために、有害な化学物質を使用していない家具をご検討されてはいかがでしょうか。
シックハウス症候群の原因物質を紹介いたしました。
シックハウス症候群の発症を防止するには次のことに注意する必要があります。
①シックハウス症候群の発症の恐れの少ない建材、家具を用いましょう。
(F☆☆☆☆ または F☆☆☆)
②換気を行ないましょう。
住まいのセカンドオピニオンのすすめ
いかかでしたか。
今回の報告も含めて、1面だけで判断せず、多面的に検討する必要があります。

住宅の建設の場合、①利便性や②価格、③安全性などを総合的に判断する必要があると思います。
①利便性や②価格を総合的に判断するには、いくつかの提案プランを比較することがおすすめです。
住まいは大変高価な買い物です。
1人の営業トークだけで決めてしまうのは、大変もったいないと思います。
タウンライフでは、大手ハウスメーカーのプランを『無料』で『同時に請求』できるのでとても便利です。
『無料」で『同時に請求』したプランを見て、もう一度考え直す、 住宅を買うのを止めるということも視野に入れても問題ないと思います。
実際に請求しようと思ったときには、各メーカーから、「より良いプラン」を引き出すため、以前「ゆこな」で紹介したこちらのページも参照してみてください。
メーカー・工法によっても『安全の考え方』が違っています。
おのおののプランを入手して、①利便性や②価格の『適正な設定』を住宅メーカーではなく、自らが決めていくことが必要なのだと思います。
とはいっても、住宅の専門的なことをどのように決めてゆけばよいのか、と感じるかたもいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな時、わたくし”ゆこな”が、皆様によりそって、「住まいのセカンドオピニオン」として安全性の考え方についてのサポートし、皆様のよりよい住まいつくりのお手伝いができれば、と考えています。

「ゆこな」のセカンドオピニオンのご依頼・ご質問はご遠慮なく、メールお願いいたしますね。